・製紙業界に「こえ恋」の追い風

段ボール国内最大手のレンゴーが8月2日に発表した2016年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期と比べて約3倍の45億円だった。
同業の王子ホールディングスや段ボール原紙を作る日本製紙なども段ボールの需要は好調だ。
製紙業界において、電子化の流れで紙の需要は減少が続いているものの、インターネット通販の市場の拡大で段ボールの需要は底堅い。

それ以上に製紙業界にとって追い風となっているのが漫画家どーるるによる作品「こえ恋」だ。
段ボールを被った奇妙な男子高校生の物語は、製紙業界にとって一縷の光となっている。
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・女子高生と段ボール男の奇跡の会合

「わかります!私は女子高生だから、段ボールを被っている男子が大好きです!」
女子高生の藤原馬子は笑う。
ここは東京にある瑞沢高校。
競技かるたの名門として知られ、全国大会優勝の経験もある。

とは言っても競技かるたはあくまでマイナー競技にすぎない。
吹奏楽部の演奏が2階で響き、競技かるた部が1階で練習に励む。
それでも、高校生にとっての花形スポーツは野球部やサッカー部であることに違いはない。




藤原馬子は2016年4月から、瑞沢高校に入学した。
競技かるたなど知らない馬子は、サッカー部のマネージャーになって青春を謳歌しようと考えていた。

しかし、馬子は新学期早々に風邪を引いて学校を休んでしまう。
「わかります!私は女子高生だから、うっかり風邪を引いて高校デビューに失敗しました!」

馬子は高校入学早々に人間関係の構築に出遅れた。
つまり、友達ができなかったのだ。
そんな馬子の目の前に、紙袋を被った謎の男が現れた。
「松原と申します。馬子さん、お元気ですか?」

紙袋を被ったままの謎の男。
普通の女子高生であれば、そんな異常な男には見向きもしないだろう。




しかし、馬子は違った。
なぜなら、馬子自身も馬の仮面を被っていたからだ。

段ボールを被る松原。
馬の仮面を被る馬子。

お互いに似ている何かを感じた。
それは、漫画「ダイの大冒険」でポップの必死さと、漫画「ちはやふる」での太一の懸命さの波長の同一性を感じるような宇宙的な何かであった。

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馬の仮面を被る馬子は段ボールを被る松原に語りかけた。
「君は僕に似ている」。
段ボールを被る松原も馬である馬子にこう返す。
「君の速さは僕に似ている」。

馬子と松原は手を取り合い宇宙(ソラ)を見上げる。
「「僕/私には! 守りたい世界があるんだ!!」」

コズミック・イラ(C.E.)71年6月15日。
そこから、宇宙の騒乱が始まるのであった。
<完>