ソフトバンクグループが10兆円規模のファンドを設立

ソフトバンクは10月14日、サウジアラビアの政府系ファンド「公共投資ファンド(PIF)」と共同で投資ファンドを設立すると発表した。

その規模の大きさに多くの人や馬が驚く。

ソフトバンクが今後5年間で少なくとも2兆6000億円、サウジのファンドが最大4兆7000億円を出資する。

さらに他のグローバルな大手投資家も出資を検討中でファンド総額は10兆円になる可能性があるという。

会社からは早朝の発表だっただけに、早起きの社会人や馬が驚きの内容だった。

「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の設立に関するお知らせ

ソフトバンクの狙いはどこにあるのか、考えてみよう。

ソフトバンク単独ではなく、サウジのファンドと組む

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ソフトバンクは米ヤフー出資で立ち上げたヤフージャパン、英ボーダフォン日本法人の買収、半導体設計の英アームの買収などを全て単独で行ってきた。

今までの流れを考えればソフトバンクが2兆円で海外の企業を買収するという話であれば違和感はない。

だが、いつもと空気は異なる。

今回のソフトバンクはサウジのファンドと組んで「グローバルにテクノロジー分野へ出資することを目的とした私募ファンド『ソフトバンク・ビジョン・ファンド』」を設立する。

単純に考えれば、ソフトバンクはサウジの政府系ファンドと組まなければできない企業に出資すると考えられる。

ソフトバンクの孫正義社長とサウジアラビアの関係を匂わす伏線はあった。

ソフトバンクがサウジとのファンド設立を発表する一ヶ月前、サウジアラビアの実力者のムハンマド・ビン・サルマン副皇太子と孫正義社長が会ったとの報道は記憶に新しい。

サウジ副皇太子が会いたかった意外な人物(日経新聞)

サウジ国営通信は、孫正義社長とサウジの副皇太子がサウジの「ビジョン2030」への協力と投資を話し合ったと伝えている。

サウジアラビアは原油に頼った経済から「普通の国」を目指した長期目標を掲げており、そのパートナーとして孫正義氏を選んだのかもしれない。

ソフトバンクにとってはサウジ政府と組むことで投資できる会社、非上場会社などへの出資を行う可能性が出てきた。


ソフトバンクって借金だらけの会社じゃなかったっけ?

ソフトバンクは2016年9月に3兆3000億円で英アームの買収を完了したばかりだ。

ソフトバンクの財務諸表を見ると2016年6月末の総資産は20兆6222億円。

その総資産に対して負債が17兆3502億円、資本が3兆2719億円となる。

負債のうち、有利子負債は12兆3720億円と日本の上場企業では桁違いの大きさだ。

ソフトバンクの2016年4〜6月期の営業利益は3192億円だったが、借入金の利息など財務費用は1121億円と営業利益の3分の1に達する。

銀行借り入れや個人向けの社債などで負債の利息が大きな重荷となっているソフトバンク。

これからさらに一段と攻める姿勢はハイリスク・ハイリターンに見える。



ソフトバンクの巨額ファンドへの出資は5年間で2兆6000億円

ソフトバンクのリリースにある通り、巨額ファンドへのソフトバンクからの出資は「今後5年間で少なくとも2兆6000億円」だ。

ソフトバンクが今すぐに2兆6000億円を投資するならば資金調達も必要だろう。

ただ、5年間という長期期間であればソフトバンクには余裕も見える。

2016年3月期のキャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは9401億円だ。

ソフトバンクは年間で約1兆円のキャッシュを稼いでいるのだ。

今回の巨額ファンドへの出資は5年間で2兆6000億円、1年間平均で5200億円程度であればソフトバンクにとっては新規の借り入れは必要ないのかもしれない。

ソフトバンクは事業会社なの?投資会社なの?

ソフトバンクグループは巨大な会社だ。

携帯部門は安定して利益を稼ぐ「普通の会社」の顔を持つ。

一方で、米スプリントや英アームなど大型買収をし、中国アリババやアジアのベンチャー企業に出資する投資会社でもある。

ソフトバンクとは孫正義の生き様そのものの会社なのだろう。

個人の強い影響力のもとに会社が動くだけにハイリスク・ハイリターンと言える。

ソフトバンクが今まで成功してきたからと言って今後も成功するとは限らない。

同時に、他の大手企業が挑戦を恐れているうちに孫正義氏による積極的すぎる投資が世界を席巻する可能性もある。

確定した答えはどこにもない。

孫正義氏を賞賛するか批判するか。

ガッキー可愛いと叫ぶか否か。

全ては自由なのだ。