米投資情報会社が日本企業を「UNKOうんこ」と指摘、シトロンvsサイバーダイン
日本の株式市場に激震が走りました。
米投資情報会社のシトロン・リサーチが8月15日付で公表したリポートで、東証マザーズに上場するサイバーダインを「UNKOうんこ」と指摘しました。
16日にはサイバーダインの株は一時、前日比11%安まで急落するなど影響が出ました。
日本ではかつてない事態に株式市場の関係者だけでなく多くの人々から注目を集めています。
サイバーダインにどんな事態が起きているのか?
日本では馴染みがない米投資情報会社シトロン・リサーチ。
米国では特定の企業に空売りのポジションをとり、その企業の問題点を指摘する会社として知られています。
最近では2015年にシトロンが出したカナダの製薬大手バリアントへのリポートが有名です。
シトロンは「バリアントは製薬業界のエンロンか」と題するリポートを発表、バリアントが特殊な形態の薬品販売会社を使用することで売上高の水増しをしているのではないかとの見方を示しました。
それにしたって「UNKOうんこ」呼ばわりはガセですよ
本当です。
これが、シトロンによる全20ページのリポートの11ページ目の主張です。
にわかには信じがたいことですが、はっきり「UNKOうんこ」と記されています。
(シトロンリポートのリンク「サイバーダインは世界で最も途方もなく低価な株券です」)
衝撃的なリポートですね。
画像にはなぜか、「開運」「金運」「健康運」「恋愛運」という札がついており、両隣にはレモンが添えられています。
シトロンの真意はどこにあるのでしょうか。
シトロンの主張は「サイバーダインは株式市場で過大評価されている」
シトロンの主張は「サイバーダインは株式市場で過大評価されている」につきます。
サイバーダインは医療用ロボット「HAL」の開発で有名です。
山海社長の独特な雰囲気はメディアなどに取り上げられていますね。
シトロンの主張はこうです。
サイバーダインの2016年4〜6月期の売上高はたったの2億7100万円。
シトロンは今までの業績を分析して、「投資家に無視できないことは、その核となる技術と製品での壊滅的な減少成長です」と指摘します。
また、サイバーダインが開発する人の動きをロボットが支援する技術、外骨格(イグゾスケルトン)市場についての見方も示します。
外骨格市場はレイセオン、ロッキード・マーティン、ホンダ、パナソニックなど競合がすでにおり、各社は高い実績を持っている。
世界的に評価の高い技術を守るエクソ・バイオニクスなどは既に主要産業に技術をライセンスアウトしていながらサイバーダインのわずか60分の1の価値で取引されている。
これらの事実をあげ、シトロンはサイバーダインをこう表現するのです。
UNKO呼ばわりされたら会社も黙っていない
サイバーダインは即日、いくつかのメディアで反論のコメントを出しています。
日経電子版「<マザーズ>サイバダイン急落 米情報会社シトロンがリポート」
ブルームバーグ「サイバダイ株が急落、空売り投資家がリポート公表」
これらの記事によるとサイバーダインの宇賀伸二取締役が「特許を巡る点など事実誤認の部分が多く、株価を意図的に下げようとする狙いがある」(日経)、「悪意を持って書かれたリポート」「事実誤認」」(ブルームバーグ)と主張。
サイバーダインは今後、法的措置も検討するようです。
サイバーダインの開発する医療用ロボット「HAL」とシトロンが指摘する会社のロボットでは技術の分野が異なるとの意見も株式市場から出ています。
シトロンのリポートの行方は
米国では空売り業者と呼ばれるシトロンなどの存在は特段、珍しいものではありません。
今夏には米グラウカスが伊藤忠に不正会計の疑いがあるなどのリポートも公表しました。
また、日本の証券会社でも企業へのリポートで将来の成長性が見通せないために投資判断を「売り」として推奨することはあります。
この企業の株価は高すぎる、という主張自体はなんら珍しいことではない。
ただ、日本の上場企業へのリポートで「UNKOうんこ」と表現したのはシトロンが初めてではないでしょうか。
シトロン、サイバーダインの今後の動きに注目が集まります。
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