クラムボンは「ぷかぷか」ではなく「かぷかぷ」笑った
こんにちは!
経済誌キュレーションドットコムです。
2016年9月21日が過ぎ、宮沢賢治の没後83年を迎えました。
(正字:宮澤賢治、1896年8月27日〜1933年9月21日)
宮沢賢治と言えば超短編小説「やまなし」の『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』のフレーズが有名ですね。
クラムボンは「ぷかぷかわらったよ」と誤解している人はいませんか?
クラムボンは何故「ぷかぷか」ではなく、「かぷかぷ」笑ったのでしょうか。
その謎を追ってみましょう。
宮沢賢治の「やまなし」はネットの青空文庫で読める
宮沢賢治の名作「やまなし」は現在、ネットの青空文庫で気軽に読めます。
「かぷかぷわらったよ」のフレーズが有名な童話「やまなし」は二匹の蟹の会話で構成されています。
「やまなし」は1923年(大正12年)4月8日、元AKB48の高橋みなみが生まれるちょうど68年前に宮沢賢治の手によって岩手毎日新聞に掲載されました。
「やまなし」は小学生の国語の教科書にも掲載されている時期も長く、多くの人々にとって馴染みの深い童話です。
しかし、童話「やまなし」は全てが謎に包まれていると言える物語です。
クラムボンっていったい何者?
童話「やまなし」では二匹の蟹がクラムボンについて話しています。
冒頭で二匹の蟹はこんな会話をします。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳はねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
クラムボンとは何者なのでしょうか。
結論から先に言えば、クラムボンとは宮沢賢治が作った言葉で意味はわかりません。
一般的にはアメンボ、母蟹、蟹の兄弟にとって初めてみる何か、外にきらめく風景などがクラムボンの正体ではないかと言われています。
クラムボンは何故かぷかぷ笑ったのか?
クラムボンの正体を探ってみないことにはわかりませんね。
クラムボンこと「やまなし」の大まかな流れ
童話「やまなし」の簡単な流れをまとめます。
登場するキャラクターは二匹の蟹の兄弟と父親の蟹。
三匹の蟹の会話が5月と12月にわけて紹介されます。
5月では二匹の蟹兄弟がクラムボンがかぷかぷわらったと話し、そのクラムボンが死んでしまう。
蟹たちの上に泳ぐ魚を何者かが食べてしまい、父親蟹がそれはかわせみだと説明する。
12月では大きくなった蟹の兄弟が泡の大きさを競っている。
大きな何かが飛んできて二匹の蟹は「かわせみ」だと恐怖するも父親蟹が「やまなし」だと指摘、いい匂いがするから安全だと話す。
どちらも抽象的で謎だらけの童話です。
結局、クラムボンとは何者でどんな話なのか?
クラムボンとは食肉連鎖における弱者ではないでしょうか。
クラムボンがプランクトンであれば、蟹から見ればただの食物です。
自分たちにとっての食物の対象が笑い、大きな魚に食べられて死ぬのは何も不思議ではありません。
クラムボンが魚に食べられ、その魚がかわせみに食べられていく流れは食物連鎖を想像させます。
クラムボンは弱者なのです。
弱者であるクラムボンは強者の蟹から見れば「かぷかぷわらった」ように見えるのです。
人間が今から食べようとする蟹を「お、この蟹は笑っているみたいだね」と言うようなものです。
強者が食べ弱者が食べられる食物連鎖は私たち生物にとって厳然たる事実。
宮沢賢治はその世界を子供達に伝えようと童話「やまなし」を書いたのではないでしょうか。
クラムボンは何故「ぷかぷか」ではなく「かぷかぷ」笑ったのか
クラムボンの笑い方は原文の「かぷかぷ」ではなく「ぷかぷか」と誤解されることが多い。
「かぷかぷ」より「ぷかぷか」の方が一般的に使われる言葉なために間違いやすいのでしょう。
「ぷかぷか」には海を優しく漂うような心温まる情景が想像できます。
一方、「かぷかぷ」は何かを食べているような、幸せな食事を連想させます。
宮沢賢治が伝えたかったことは何か。
私たちが生きる世界での食物連鎖の現実と、かぷかぷわらえる世の中ではないのか。
自分たち人間が食物連鎖の世界にいると自覚しながら、蟹をかぷかぷと食べてみたいですね。
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