NewsPicksを運営するユーザベースが2017年1〜6月期の決算を発表
キュレーションサイトNewsPicks(NP)を運営するユーザベースは8月10日、第2四半期となる2017年1〜6月期の連結決算を発表した。
売上高は前年同期比47%増の20億円、営業利益は約2倍の3億円、純利益は2.2倍の2億4700万円だった。
キュレーションサイト「NewsPicks」と企業や業界の情報分析ツール「スピーダ」の売り上げが伸びた。
同業他社であるキュレーションドットコムがユーザベースの決算を分析する。
連結ハイライト①の資料でニッコリ
ユーザベースが発表した決算説明資料の8ページ目、連結ハイライト①は非常に質素だ。
増収増益を純粋にアピールしたいという資料作成者の想いと、多忙な様子が伺える。
2017年6月末の数字でスピーダの契約ID数は1,780、NewsPicksの有料会員数は42,451人まで拡大した。
売り上げが伸びて利益も拡大する健全な路線に乗っている。
定規で分析、NPの売上高は広告が3億円、有料課金は3.6億円か
NewsPicks部門の売上高は2017年1〜6月期で前年同期比76%増の6億9123万円だった。
この売上高には広告売上と有料課金売上が含まれる。
広告と有料課金の内訳は決算短信と説明資料に掲載されていないため、キュレーションドットコム独自の分析手法を使う。
有料会員の6月末の単価1500円に同時点の会員数42,451人、さらに期間6ヶ月をかけると3億8200万円になる。
ただ、1月〜6月の間で単価や会員数は大きく変動しているため、これはあくまで概算になる。
一般的には単価や会員数の期中平均を使うが、決算分析に強みを持つキュレーションドットコムでは定規を使う。
決算資料のグラフを定規で計測すると、売上高の内訳は有料課金が3億円、広告が3億5900万円、その他が3300万円となる。
当たらずとも遠からずと言ったところだろうか。
アクティブユーザーの非開示には投資家から疑問も
ユーザベースは8月10日発表の決算短信から月間のアクティブユーザー数を非開示とした。
理由は「事業の最重要KPI(重要業績評価指標)を有料会員数に絞り、戦略の大部分を有料会員の獲得に集中させるため」という。
これには投資家から疑問の声もあがりそうだ。
重要な指標を有料会員数に絞るのは会社の自由だろう。
しかし、投資家は会社が重要だと判断する以外の指標も使って分析を行う。
潜在的な投資家たちの投資対象となる上場企業として、ユーザベースはNewsPicksの月間アクティブユーザー数の開示をするべきではないだろうか。
特にNewsPicksは自ら経済情報を発信する媒体だけに、情報開示には積極的になって欲しいところだ。