一般向け、松井珠理奈が総選挙で1位になった理由





一般向け、松井珠理奈が総選挙一位になった理由

AKB48グループのファンにとって歴史的な日となった。

10回目となる2018年AKB48の選抜総選挙が6月16日に開催された。

AKB48の姉妹グループであるSKE48の松井珠理奈が10回目の挑戦にして初の1位、王者となった。

48グループのファンにとって納得の結果と言えど、一般の人々から見れば納得できない点もあるだろう。

多くのファンは単純なアイドルの松井珠理奈ではなく、過酷な10代を生き抜いた一人の人間を応援したのだ。

経済誌キュレーションドットコムが一般向けに、松井珠理奈がAKB総選挙で1位になった理由を説明する。

活動初期、AKBファンから批判を浴びる

松井珠理奈は1997年3月8日に生まれて愛知県で育った。

まだ小学6年生だった2008年、AKB48初の姉妹グループとなるSKE48の第一期生のオーディションに合格して活動を開始する。

11歳の松井珠理奈をオーディションで見た秋元康は「ダイヤの原石が来た!」と興奮。

次のAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」では当時のセンター前田敦子と並ぶ扱いに大抜擢、CDジャケットでは松井珠理奈1人を起用した。

この秋元康の采配から、松井珠理奈にとって過酷な道が始まる。

それまでAKBを応援していたファンから批判の声が起きたのだ。

「なんでいきなり入ってきた奴が俺の推しより前にいるんだ」
「SKEの奴がAKBに入ってくるんじゃねえ」

会いに行けるアイドルという仕組みが災いして、握手会ではAKBファンから直接に罵声を浴びせられることもあった。

従来のAKB48のメンバーにとっても新人にポジションを奪われた格好になり、内部での人間関係もスムーズにいかない。

ランドセルを背負う小学6年生の女の子が名古屋と東京の間を新幹線で往復し、歌って踊るアイドルの「仕事」をこなしていった。

考えてみよう。

大勢の大人(AKBファン)たちから罵倒され、出張だらけの仕事を小学6年生の時に誰ができるというのか。

地獄のようだった活動初期、AKB内で支えてくれた元AKBの篠田麻里子、仕事を共にこなしながらも名古屋で迎えてくれた元SKEの大矢真那を松井珠理奈は今でも慕っている。

秋元のゴリ推しとの批判、SKEファンからも

SKEでセンターとして活動する一方、AKBの楽曲の選抜にも選ばれる松井珠理奈。

東京、名古屋でコンサートやテレビに出演、能無しの運営の采配により活動は多忙を極めて、10代前半の松井珠理奈は頻繁に倒れた。

さらに活動初期はAKBとしての活動が目立ってしまったため、SKEファンからも批判を浴びることになる。

「秋元康は大好きな松井珠理奈をAKBのセンターにするハズだ」
「どうせ珠理奈はAKBに移籍だ」

松井珠理奈が雑誌などでSKE愛を語っても、ことあるごとに当時のインターネット(2ちゃんねる)では議論が沸き起こった。

頑張ろうと努力しても批判される辛い時期が続く。

中学3年生が終わろうとした2012年3月、AKBのコンサートではサプライズで松井珠理奈がAKBを兼任すると発表。

今でこそAKB48内でのグループ兼任は珍しくないが当時は初の試み。

これは、松井珠理奈をAKBに移籍させるための段取りだと予想する向きが強まった。

混乱した松井珠理奈はコンサートでの発表を聞いて倒れ、その後に入院するまで心身を崩した。

仲間たちの卒業、最愛のライバルも去る

SKE48は松井珠理奈と松井玲奈の「ダブル松井」が主力だった。

同じ苗字の「松井」でグループの先頭に立つ二人はしばしば太陽(珠理奈)と月(玲奈)に例えられる。

総選挙でも接戦を繰り広げた二人はライバル関係とも言われ、ファンが争いメディアも煽った。

時には珠理奈と玲奈は言葉をかわさないほどに険悪な時期もあったという。

珠理奈にとって5歳年上の玲奈は精神的に強い女性だ。

珠理奈にとってライバルでもあり支えでもあった玲奈は、アイドル活動の中で俳優としての能力を高めて2015年8月、グループを卒業した。

珠理奈にとって7年間共に並んできた玲奈の存在はあまりに偉大。

玲奈の卒業当時について今の珠理奈は「玲奈ロスが辛かった」と振り返ってもいる。

「グループの大将」と言われた玲奈の卒業により、多くのファンも離れてしまった。

そして、2018年にSKEは10周年を迎えた。

アイドルは短い期間しかできない仕事のため、珠理奈と同じ時期に活動した初期のメンバーのほとんどは卒業した。

それでも珠理奈はSKEの活動を続けている。

そこには一つの約束があった。

1期生のみんなと最初に「AKBを超える」と約束

2018年の総選挙直前の6月2日、松井珠理奈はテレビ番組の討論会に出演した。

「SKE48にかけている想いとは?」

そう問われた松井珠理奈は「1期生のみんなと最初に『AKBを超える』と約束した」と答えた。

前田敦子や大島優子、篠田麻里子たちが輝いていたAKB48。

それを松井珠理奈はSKE48として超えようとしている。

2018年現在のAKBは当時ほどの勢いはない。

黄金期を知っている松井珠理奈だけに、グループ存続への危機感も強い。

自分が1位になりSKE48がグループ内でトップになることで、AKBの奮起も促して全体が再び勢いづくのではないかと現在の松井珠理奈は語る。

松井珠理奈の11歳から21歳までのこの10年は、現代人にとって想像を絶する苦難の連続だった。

ファンはそれを知っている。

ファンはアイドルの珠理奈を応援しているだけではなく、過酷な人生を生き抜いてきた一人の人間を支えたかった。

そのファンの想いが、松井珠理奈の総選挙1位の結果に繋がったのだ。





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