kaikeiカレンダー:25歳総合商社勤務の男が選ぶ街「赤羽」〜正広、ごめんなさい〜





「女なんてどうでもいい。男だけで大騒ぎするのが楽しいんだ。そう、思っていました」

外苑前にある商社に勤める正広(25歳)。埼玉県狭山市で生まれ育ち明治大学経済学部を卒業した。

現在は社会人3年目の若手。これからお話するのは、就職を期に埼玉から出て東京で一人暮らしを始めた正広の挫折と成功だ。

年齢を重ねるごとに金と女に翻弄され、国家的な陰謀に巻き込まれていく一人の男を紹介したい。

◾️大学に入って知った男女関係

僕が、大学2年生の時の夏休み。

ありふれたスポーツサークルで阿弥と出会った

阿弥は僕より一年下で埼玉県の深谷市出身だ。東京や神奈川出身のみんなと違い、芋くさい僕たちは気があった。

サークルの帰りでは「埼玉県の田舎あるある」でいつも盛り上がった。

暇があれば池袋に行ってしまうこと。だけど大宮のボーリングの方が心安らぐこと。

僕たちは自然に仲良くなり夏休みの8月の彼女の誕生日に付き合うことになった。

彼女の誕生日を祝ったのは王子の居酒屋「一休」だ。

19日にはイッキュウDAYと言って格段に安くなるのが魅力的な店だ。

東京と埼玉の境にある町には安い居酒屋が多い。僕たちは安楽亭や魚民、マックでデートを重ねていった。

◾️しょせん女は金しか見ていない

僕も阿弥もまだ若かったんだ。

品川のお洒落な店になんて怖くていけない。

渋谷?六本木?三軒茶屋?

意識が高い人たちがいる地域なんてクソ食らえ。そう言って僕と阿弥は笑っていた。

だけど、僕が間違っていた。

僕が大学3年生、阿弥が大学2年生になった秋の頃。

阿弥はベンチャー企業のインターンに応募していた。

「ベンチャー企業なんて不安定だよ。意識高い系の巣窟だよ」

そう言った僕がバカだった。

ベンチャー企業と言えど多士済々。中には魅力的な人がいたんだろう。

阿弥はインターン先のベンチャー企業の30歳の部長と付き合った。

「正広、ごめん。ごめんなさい」

そう。僕はふられたんだ。

ベンチャー企業の30歳の部長はキラキラしてるんだってさ。

別れた理由なんて聞けるわけがない。

阿弥は毎週末、六本木のお洒落な店で楽しんでいると友達には聞いた。

◾️ベンチャーなんてありえない。僕は着実に生きる。

僕はもう女を信じなくなった。

気にすることはない。僕には一緒にスポーツを楽しみ酒を飲む友達がいる。

僕は毎日、浴びるように酒を飲んだ。

ズボンを履かずに埼京線に乗ったこともある。

埼京線の車両の連結部で吐いたことなんて一度や二度じゃない。

こんな堕落した生活が就職活動に響いたのかもね。

商社で働きたいと思った僕だけど、三菱商事や三井物産の道はあまりに高かった。

必死に就職活動に励んだ僕は外苑前のとある商社に滑り込んだ。

◾️忘れられない街、赤羽

僕は大学を卒業して赤羽に住むことにした。

阿弥を引きずっている?

そんなことはない。僕はスポーツが大好きなんだ。

赤羽にはテニスやフットサル、公共の体育館などスポーツが溢れている。

午前中にスポーツをして昼には駅前の安楽店で酒を浴びる。

15時という中途半端な時間からカラオケで大騒ぎをする。

女なんてどうでもいい!

俺たちは赤羽の王だ!

もちろん、商社らしく合コンもした。

ANAの女の子と合コンした時はみんなが可愛くてたのしかったな。

合コン後には1対1でタクシーで家まで送ったんだけど、誰も成果が無かったのは笑ったよ。

三菱商事と同じ手を使ったけど、僕たちはイマイチだったのかな。

こんな今の遊び続けている日々も悪くないと思ってる。明日は月曜日だ、頑張ろう。

◾️次回予告

赤羽で社会人生活を始めた正広(25歳)。

大学生気分も忘れられずに胸に夢を膨らませている。

3年後、28歳の正広は何をしているのだろう?

次週22日(日)以降を予定。

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〜〜免責・注意事項〜〜

ワイの人生やろ!?って言う奴が出てくるな。

ワイ全てが謎に包まれた男、そんな馬脚を表すバカな真似はしない。





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