内部留保とガッキー(新垣結衣)


2017年、再び内部留保の議論が混乱

企業が蓄えた利益を現す「内部留保」という言葉が話題だ。

ややテクニカルな概念のため政治家やメディア、SNSで議論が噴出している。

「お前らは内部留保の意味がわかっていない」
「同族特定会社では留保金課税がある」
「アメリカでも留保金への課税制度がある」
「内部留保の話題は飽きた」

どれも一理ある。

混乱している時は、世界で一番可愛いと言われるガッキーこと新垣結衣さんで内部留保を例えて見ればわかりやすいかもしれない。

なお、当記事で示す金額は会計の初学者にとってわかりやすくするための例であり、現実に新垣結衣さんが稼いだ金額とは一切関係はない。




女優の人気を企業の利益として考えてみる

女優での人気を企業の利益と考えてみよう。

沖縄県出身の新垣結衣さんは1988年6月11日に生まれた。

2001年に女子小中学生向けファッション誌「ニコラ」でモデルデビュー、2006〜2008年の江崎グリコ「ポッキー」シリーズのCMに出演して大ブレイクした。

この時の新垣結衣さんが手にした人気が企業の利益=内部留保とする。

ポッキーでのダンスにより、ガッキーは2008年までに10億円の内部留保を獲得したとしよう。

ガッキー、映画でも内部留保を拡大

新垣結衣さんと言えば主演を務めた2007年の映画「恋空」は忘れない。

劇中では不良たちにおぞましい扱いをされた。

忌まわしい。

なお、「恋空」での新垣結衣の相手を務めた三浦春馬さんは2017年10月現在、童貞のエリートを演じるドラマに出演している。

2010年の主演映画「ハナミズキ」、2012年から始まった堺雅人とコンビを組んだドラマ「リーガル・ハイ」で新垣結衣さんはますます人気を獲得した。

2009〜2015年までにガッキーは15億円の内部留保を手にする。

ガッキー、逃げ恥で国内最大級の内部留保に

新垣結衣さんが日本で最高級に可愛い女優だと証明されたのが2016年。

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」が大ヒットした。

インターネットの普及によりテレビはもう見られないと言われていた昨今、関係者にとっては大きなサプライズとなった。

初回視聴率は10.2%だったものの、12月20日放送の最終話は20.8%倍増と異例の展開。

この活躍を受けて芸能人市場では「石原さとみ、綾瀬はるか、長澤まさみとのトップ4の集団から頭一つ抜け出た」(アイドル士)との声がある。

2016年にガッキーは23億円の内部留保をゲット。

ガッキー、2017年には医者と卓球

新垣結衣さんは2017年、人気ドラマ「コードブルー」の続編と卓球映画「ミックス。」などに出演した。

2016年の活躍を背景にガッキーブームが続き、芸能メディアはこれでもかと新垣結衣さんを取り上げた。

ガッキー大勝利である。

2017年のガッキーの内部留保を14億円とする。

ここで、ガッキーの内部留保を確認してみよう。

1998〜2008年:10億円
2009〜2015年:15億円
2016年:23億円
2017年:14億円

合計:62億円

ガッキーの内部留保、62億円に

茶髪のガッキーも可愛い。

新垣結衣さんの内部留保は2017年時点で62億円となった。

ここで新垣結衣さんは内部留保をどう使っただろうか。

現金で持っているのか、設備投資に使ったのか、M&Aに使ったのか?

お気づきだろうか。

2017年時点のガッキーの内部留保62億円は、これまでの活躍の全ての合計値なのだ。

2016年の逃げ恥ブームで稼いだ23億円と1998〜2015年に獲得した25億円はほぼ同じだ。

ただ、1998〜2015年に獲得した25億円で新垣結衣さんは土地や機械設備を購入、有価証券を買ったかもしれない。

新垣結衣さんが1998〜2015年にお金を使ったとしても内部留保は変わらない。

昨今、議論されている内部留保課税とは、新垣結衣さんで例えれば現在で進行中の2017年のドラマ「コードブルー」と映画「ミックス。」での内部留保14億円に対して新たに税金を取ろうとするものだ。

これまで蓄積した「恋空」や「リーガル・ハイ」で手にした内部留保に課税する話ではない。

ガッキーの内部留保は一生、減らないのか

これまでの議論では内部留保は減らずに増え続けてしまう。

実際に、企業の内部留保が減るのは「単年度の損益が赤字」か「株主に配当を出す」時だ。

新垣結衣さんの例で言えば、体調を崩してまるまる一年間は仕事ができなければ人気が減ってしまう(赤字)になるかもしれない。

内部留保を女優で説明すると配当を表現するのは難しいが、新垣結衣さんが結婚すれば大きな人気の減少(配当)と言えるだろうか。

当記事ではあくまで内部留保を過去の利益の蓄積と説明するためにもろもろの仕組みを超簡略化しているため、これ以上は深追いしない。

内部留保はあくまで企業の歴史の中で手にしてきた利益の累積だ、ということを理解して頂ければ幸いだ。





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