週刊新潮はAKSに忖度するフリをして問題事実を公表したのでは NGT「山口真帆」問題、事件直後の録音データ入手
週刊新潮(デイリー新潮)が5月17日に公開した、暴行被害を受けたNGT48の山口真帆さんに関する記事が議論を読んでいる。
デイリー新潮は「NGT「山口真帆」問題、事件直後の録音データ入手、犯人との生々しいやり取りを再現」と報道。
事件当日の「録音データ」に関する内部文書を公開した。
一見すると、同記事は加害者や運営会社のAKSに肩入れして、山口真帆さんを貶めようとしているように読める。
一方、加害者側の男が山口真帆さんの住むマンションの向かいの部屋の鍵を何者かから「借りた」か「受け取った」という可能性が浮上した。
記事中の書き方をよく読むと、週刊新潮はAKSに忖度するフリをして情報を入手し、問題事実を世間に公表したかったのかもしれない。
加害者寄りの発言、山口真帆さんを貶めようとしているのはリーク元と見られる「AKS関係者」
週刊新潮の記事内での加害者よりの発言を抽出してみよう。
「犯人側が弁明するものの、それには頑なに耳を傾けない山口さんの姿が浮かび上がります」
「山口さんは、どうしても納得できないようでした。『Bが鍵を渡した』というシナリオに固執しているかのような印象を受けました」
「冷静に分析すると、甲、乙、丙が否定した内容は一貫しており、実はぶれていません」
(注:甲、乙、丙は男性の加害者)
「山口さんがAKSに決定的な不審を抱いたことは仕方ないのでしょうが、それとA、B、Cが“無実”である事実は、別に考える必要があるはずです」
(注:A、B、CはNGT48のメンバー)
単純に読めば、週刊新潮は加害者寄りだ。
ただ、これらは全て「AKS関係者」の発言となっている。
週刊新潮は地の文(他者の発言ではなく、記事を書いた記者の意見や考え方)で山口真帆さんをこう擁護している。
「山口が客観的な証言を得ようと考えていたことは、しっかりと記しておくべき事実だろう」。
これは上記のAKS関係者の発言とは正反対の考え方だ。
週刊新潮の記事内での地の文では、山口真帆さんにも問題があった、というような書き方は見られない。
メディアの常套手段 取材対象に忖度するフリをして世間が叩くのを待つ
今回の記事においては、週刊新潮とAKSでどんなやり取りがあったのか。
AKSはとにかく問題を収束させたい、山口真帆さんにも悪い部分があったと世間を誘導してNGTの今後の人気復活に繋げたい。
週刊新潮はPVを稼ぎたい、ライバルの週刊文春が叩かれているNGT問題において、ヤバい事実を公表したい。
とすれば、週刊新潮はAKSに忖度するフリをして情報を入手、AKSは自分の主張を記事内に入れてもらうことで両者の利害は一致する。
取材対象に寄り添うフリをして情報を入手し、本人たちが気づいていない問題を明らかにするのはメディア常套手段だ。
そして、週刊新潮は今回の事件において新たな問題を明らかにしている。
加害者「甲」はメンバーBから山口真帆さんが住むマンションの向かいの部屋の鍵を借りたのではないか。
山口真帆さんがこう問いただすと、加害者「甲」はこう答えたという。
「だから正直、それはBが直接渡したんじゃなくて、それは多分、1回返したんだと思うけど、それをその引き継ぎで、俺が、借りたというのか受け取ったのも」
加害者「甲」はメンバーBからマンションの鍵を直接は受け取ってはいないと主張するものの、曖昧な答えに終始している。
これについてAKS関係者は、第三者委員会の調査により「甲の『Bから鍵はもらっていない』という説明は事実なのです」と補足している。
ただ、第三者委員会は加害者「甲」が同マンションに出入りしていたことなどについては「調査に対する被疑者らの協力もなく、明らかではないが」と断定はしていない。
そもそも第三者委員会は加害者側から直接の情報を得ておらず、週刊新潮が入手した「録音データ」から調査報告書を作っているだけだ。
AKSは問題をうやむやのまま、終わらせようとしている。
そして、山口真帆さん、菅原りこさん、長谷川玲奈さんは5月18日、卒業公演を行う。
運営会社AKSが事件の被害者の側に寄り添わないならば、NGT48、ひいてはAKB48グループの人気が落ちていくだけだ。