アメリカの暴動で再注目の動画「DNAの旅」 誰しも多数の国に祖先が存在~開かれた世界は、開かれた心から始まる~
人種差別のない世界は、どうしたらできるのか。
ミネソタ州ミネアポリスで白人警官による黒人市民に対する暴行死事件が勃発。
人種差別に反対する運動や、騒動に乗じる団体などが現れて混乱が深まっている。
そんななか、一つの動画が世界で再注目を浴びている。
デンマークの格安チケット旅行検索サイト「モモンド」は企画の一つとして「DNAの旅」を2016年6月に配信した。
DNAを調べると誰もが多数の国に祖先がいると判明し、人種の壁が取り払われていく模様が動画で描かれている。
モモンド社の公式動画の日本語訳を2017年に担当した本誌キュレーションドットコムが動画を解説する。
(公式動画(日本語翻訳付き):momondo – The DNA Journey)
世界各国から人を集める 誰もが自国が最高だと主張
モモンド社は企画のために世界各国から人を集めた。
祖先の代から国を守るイギリス人、祖国を愛するバングラデシュ人、100%を自覚するアイスランド人、誇り高い黒人………
そんな人たちに良い印象がもてない国、好きになれない国民を聞いてみる。
イギリス人はドイツ人を好きになれないと言い、バングラデシュ人は紛争のあったインドとパキスタンを嫌う。
そして、多くの人たちが自分の国こそが最高だと主張する。
ここでモモンド社は提案する。
「あなたのDNAを巡る旅をしてみませんか」
両親から半分ずつ受け取るDNA 誰もが祖先は1つの国と自覚
人は両親からDNAを半分ずつ受け取る。
その親も、さらにその両親からDNAを半分ずつ引き継いでいる。
DNAの流れは延々と過去に遡ることが出来る。
その実験を始めた時点では、誰もが自分の祖先は1つの国しかないと思っている。
フランス人は「祖父母も、その祖先もフランスでしょうね」と語り、イギリス人もキューバ人も祖先は1つだと信じて疑わない。
DNAのルーツの鑑定結果 誰しも多数の国に祖先が存在
DNAを採取し検査をしてから2週間後、世界各国の人たちが鑑定結果を受け取る。
自分のDNAはどんな国の人たちで形成されているのか。
その結果を見て、誰もが驚愕する。
100%のアイスランド人を自覚した人のDNAには東欧、スペイン、ポルトガル、ギリシャの血が流れていた。
祖先全てがフランス人だと思っていた人の32%はイギリス人。
トルコを嫌っていた人にはトルコの血が流れていた。
ドイツを嫌っていたイギリス人のDNAにはイギリスが30%しかなく、5%は忌み嫌っていたドイツのものだった。
誰しも、祖先は1つの国ではなかったのだ。
鑑定結果を受けて、人々の考え方が大きく変わった。
「自分のルーツが多様だと気づけば、過激主義はなくなる」
「この検査で純粋なナントカ人などと愚かなことをいう人はいなくなる」
「この検査はみんなに義務付けるべきではないか」
広い意味で私たちは誰もが「いとこ」 サプライズで本当のいとこも
鑑定結果を発表し、研究者は「広い意味では、私たちは誰もがある種のいとこだ」と説明する。
そして企画では驚くべき事も起きた。
集まった人たちの中で、本当のいとこが存在したのだ。
鑑定結果により、いとこだと知った2人は抱きし合う。
そして2人は笑い合うのだ。
鑑定により、多くの人たちが考えを改める。
イギリス人は「いろんなところからやってきたジェイ」に。
キューバ人は「真の世界人」に。
旅行会社モモンドは、ここで自分のルーツを探すための旅を勧める。
集まった人たちは「世界中にある祖国」への旅を決意するのだった。
そして、動画の最後はこう締めくくられる。
~AN OPEN WORLD BEGINS WITH AN OPEN MIND~
~開かれた世界は、開かれた心から始まる~
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