株式会社PASMO、売上高90億円で営業外収益10億円 パスモは10年間に未使用で権利失効





株式会社PASMO、売上高90億円で営業外収益10億円 パスモは10年間に未使用で権利失効

株式会社PASMOが6月23日付で官報に2020年3月期の決算広告を公表した。

売上高は前期比2%増の90億円、営業損益は1.6億円の赤字(前期は4億円の赤字)、純利益は約2倍の2.2億円だった。

営業損益段階では赤字で最終損益が黒字になっているのは、営業外収益が大きいためだ。

株式会社PASMOの営業外収益は2020年3月期で10億円と売上高の10%を超える。

営業外収益は2019年3月期で9.6億円、2018年3月期で4.7億円と足元で急激に伸びてきた。

【株式会社PASMOの2020年3月期の決算】

株式会社PASMOは主に首都圏の鉄道・バスで利用可能なICカード乗車券「PASMO」を発行・運営する。

PASMOの約款を見てみると、10年間の使用がなかった場合に権利が失効。

その場合、「デポジット及びPASMOに記録されている一切の金銭的価値等の返却を請求することはできない」としている。

つまり、利用者が10年間で使うのを忘れたPASMOにチャージされた金額は、最終的に株式会社PASMOサイドの利益になる。

(株式会社PASMO:PASMOに関する約款

株式会社パスモの株主は東京都や横浜市、東急電鉄や小田急電鉄など鉄道11事業者、バス19事業者だ。

ICカード乗車券「PASMO」は2007年3月18日にサービスを開始した。

現在では鉄道やバスの利用だけで無く、コンビニなど多くの場面でPASMOのサービスは利用できるようになった。

利用者の中には、お金をチャージしたまま忘れて10年が経過したPASMOもあるだろう。

もっとも、PASMOの埋蔵益がこれまで営業外収益に計上されていた場合でも、2022年3月期から日本企業に適用される収益認識会計基準によっては、扱いを変更する可能性もある。




【株式会社PASMOの2019年3月期の決算】

【株式会社PASMOの2018年3月期の決算】


「収益認識会計基準と税務」完全解説 (改訂版)




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