内部留保とは、企業にとって過去の栄光 メディアの誤解には注意


内部留保とは、企業にとって過去の栄光 メディアの誤解には注意

ワイやで。

企業の内部留保について世間の興味関心が大きいようだ。偉そうなことを言ったので誤解が多そうな部分だけ解説しようと思う。

なんでこんなことを書くか?

NewsPicksで企業の内部留保が話題になっている時に目前にあったサンマが眩しかったからだ。

これから説明を始めるが注釈は文末に書いたので有識者の方にはご確認いただけると有り難い。

▪️内部留保ってなんや?

まず、内部留保という金額は企業が積み上げてきた利益の累積であり過去の栄光を示すに過ぎない。

逆に言えば、企業の資産の内容や今後の成長力を現すものではない。

「内部留保の金額が大きい企業」「現金を溜め込み投資をしない消極的な企業」と関連性はないことに注意が必要だ。

また、内部留保はメディアで頻出する言葉だが、会計士仲間との会話で出てくることはない。

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内部留保とは企業が設立時代から積み重ねてきた利益の累積金額のことだ。

設立してから毎年ごとに純利益で10億円稼ぎ続ければ、10年後の内部留保は100億円となる。

1年目で10億円の最終赤字だったとしても、2年目で110億円の最終黒字を達成すれば2年目末時点での内部留保は100億円だ。

内部留保が大きい企業は成功してきた企業だということは間違いない。

利益を稼ぐことで納税する体力がある成功企業がもっと税金を払え、という論には一理ある。




▪️トヨタ16兆円あるってよ

では実際に日本の企業を見てみよう。

内部留保とは企業の貸借対照表上で「利益剰余金」の金額として確認できる。

トヨタの内部留保が約16兆円、ソフトバンクが約2兆円、ソニーが9000億円、ワタミが48億円だ(連結ベース、2015年6月末)。

16兆円もの余力があるトヨタには納税する体力が十分あるように見える。

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もっとも、内部留保がイコール手持ち資金ではない

トヨタの内部留保は16兆円と言えるが現預金は2兆円だ。

例えば、内部留保を全て吐き出せという法律ができればトヨタは自動車を作るための設備である機械装置11兆円を全て売却する必要があるだろう。

内部留保があるからといって企業がその金額を自由に使えるわけではないという事実は広まってきているだろうか。

▪️内部留保あっても攻めれるで

内部留保があって攻めの投資を続けることは両立する。

NewsPicks内でも人気企業のリクルートホールディングスで言えば2015年6月末の内部留保は5540億円だ。

リクルートはその内部留保を企業買収で出てくるのれん2619億円、投資をした結果の投資有価証券1290億円に使っていると説明することも可能だ。

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内部留保とはあくまで過去の利益の積み重ねの数字であり貸借対照表(BS)では右側(貸方)に位置する。

その内容を知るにはBSの左側(借方)を見る必要がある。

持っている現預金を買収に使っても資産である現預金が資産である投資有価証券やのれんに変わるだけだ。

その時点では内部留保の金額は変わらない。

攻めの投資をした後、その事業の成否で内部留保の金額が変わる。

攻めの買収をした場合、成功すれば利益が出ることで内部留保の金額は大きくなり、失敗すれば内部留保の金額は小さくなる。




▪️二重課税の話は別にした方がええな

また、内部留保の金額とはすでに政府が課税をした後の金額となる。そのため、内部留保に課税することは法人税の引き上げと同義だ。

企業が原価6000円のモノを1万円で売れば、利益は4000円。その利益に対して約40%の法人税がかかれば、内部留保として残るのは2400円となる。

この2400円に税金をかけるのであれば、その前段階の利益4000円にかかる法人税を引き上げるのと同じだ。

▪️まとめ

内部留保という言葉は知識の浅いメディアが使う曖昧な言葉だ。

意図的な企業批判で使われるならばまだマシだが、メディアの理解不足で内部留保という言葉が踊ることが多いように思う。

内部留保に課税、内部留保が大きい企業はダメな企業。そんな無意味な論説はなくなるべきだろう。

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〜〜注って言うでぃすくれえまあ〜〜

昔のワイがわかるように噛み砕いて書いたので、厳密には間違いがあるけど勘弁してや。

商業サイトではなく、ただの個人ブログなんで質が低いのは勘弁してや。

内部留保の定義には色々あるが、話を単純にするために狭義で使われる利益剰余金にしたのは勘弁してや。

話が複雑になるから配当の話を飛ばしたのは勘弁してや。

単独、連結、国内外の子会社なんて当然にすっ飛ばしたのは勘弁してや。

自己株式、為替勘定調整勘定とか包括利益とか突っ込むのは勘弁してや。

気軽に黙って訂正するけど勘弁してくれや。




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1 Comment

  1. NPコメント欄での絶賛の嵐、ありがとうやで。
    こんなに褒められるとは思ってなかった。
    おかげで、次に何を書こうかというハードルが上がったやで。
    次はゴミのような記事を書こうと思うんで、よろしくな。

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