CASH光本氏の「TRAVEL Now」 後払いの旅行予約アプリ、利用者の親が支払うケース増やすか





中古品換金サービス「CASH」で注目の光本氏、 ツアー予約のアプリ「TRAVEL Now(トラベルナウ)」をリリース

新しい旅行サービスアプリが話題だ。

中古品換金サービス「CASH」を運営するバンクは6月28日、ツアー予約のアプリ「TRAVEL Now(トラベルナウ)」をリリースした。

(プレスリリース:TRAVEL Nowをリリースしました)

アプリでは上限10万円までの旅行商品が用意されており、電話番号で認証するだけで旅行代金は2カ月後に支払えば良い仕組み。

リリース直後の「3万円以下の旅行が無料」というキャンペーンも異例だ。

中古品換金サービス「CASH」で一躍、時の人となった光本勇介最高経営責任者(CEO)の新サービスだけに注目度も高い。

リリース直後のサービス内容を見る限り、キャンペーン後の主な利用者は「クレジットカードを持たない」「旅行サイトを知らない」層で、最終的な支払いはその親になるケースが増えそうだ。

TRAVEL Now、金利を考慮で楽天トラベルよりやや割高 プランも少ない

6月28日12時時点で「TRAVEL Now」を試してみた。

旅行日程は7月17〜18日の一泊二日、行き先は箱根・強羅温泉に設定する。

現在は「今なら3万円以下の旅行が0円」のキャンペーン中のため、他社と比較できるよう3万円以上の宿泊先を見てみる。

例えば、温泉宿「箱根強羅グアムドック」は朝・夕食付きで3万500円(税込)。

旅行サイト「楽天トラベル」で検索すると同条件で2万9500円(税込)だった。

差額の1000円が「代金の支払いは2カ月後で良い」という金利の性格を持つ。

他の宿泊先をいくつか調べたところ、楽天トラベルより安い料金は見当たらなかった(キャンペーン中の旅行先は除く)。

会社勤めの社会人であればクレジットカードを持っている人は多い。

クレジットカードなら1カ月後の支払いが「TRAVEL Now」なら2カ月後になる程度のメリットだ。

現状の「TRAVEL Now」では宿泊先のホテルの登録数、夕食の有る無しなどプランの数も少なく、旅行サイトを気軽に使う社会人にとって魅力は感じられない。

利用者は誰か? 友人の多い若者が利用、支払いは親になるケースも

ではどんな層が「TRAVEL Now」を利用するだろうか。

真っ先に考えられるのはクレジットカードを持たない層だ。

クレジットカードの審査が通らない層にとっては「TRAVEL Now」は電話番号だけで後払い旅行が可能になる便利なアプリになる。

もっとも、現在ではイオンカード、ファミマTカード、楽天カードなど大学生やアルバイトでも審査の通るクレジットカードも普及している。

クレジットカードを持てないというより、単にクレジットカードを作っていない人が「TRAVEL Now」を使うかもしれない。

例えば、大学生はアルバイトで稼いだお金で友人たちと旅行に行くケースが目立つ。

仲良し4人組で旅行に行く場合、3人はお金を持っているのに1人は金欠(金欠A君とする)という状況が多々ある。

こんな時、金欠A君が電話番号だけで簡単に認証できるアプリ「TRAVEL Now」を使えば仲良く4人で旅行ができるという計算だ。

現状の「TRAVEL Now」では宿泊人数は1〜2人しか選べないため、金欠A君たちが2グループで「TRAVEL Now」で部屋をとって現地で遊ぶケースが考えられる。

ここで問題がある。

お金を持たず友人たちとの旅行を選ぶ金欠A君は、果たして2カ月後に料金を支払えるだろうか。

フリーターや学生でも審査の通るクレジットカード、楽天トラベルのような旅行サイトを調べない金欠A君は、旅行代金を支払えるのだろうか。

クレジットカード期限の1カ月後には間に合わないが、「TRAVEL Now」の2カ月後の期限ならばお金を工面できるのだろうか。

金欠A君は結局、親に泣きついて旅行代金を支払ってもらうのではないか。

現代人にとって認証に利用した電話番号は人間関係継続のため簡単に変えられず、支払いを「バックれる」という選択肢は簡単ではない。

そもそもホテルは電話予約で現金後払いという仕組みが一般的で、「バックれる」難易度は「TRAVEL Now」以前と変わらない。

注意事項、キャンセル料 予約確定後に20日前で20%

(「TRAVEL Now」の国内旅行のキャンセルポリシー)

気をつけるべきなのはキャンセル料だ。

「TRAVEL Now」の国内旅行では予約を確定した後、20日前から旅行代金の20%がキャンセル料として発生する。

普段の旅行の気分で前もってキャンセルしようとすると「既にキャンセル料が発生」という状況には陥らないように注意すべきだろう。





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