秋元康氏、株価低迷で出資先に「含み損」15億円 SKE48運営の上場企業KeyHolder(キーホルダー)社への新株予約権で
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに株式市場が混乱、その余波は作詞家でプロデューサーの秋元康氏にも飛んだ。
新型コロナの影響や景気悪化の懸念から世界の株式市場が急落、日経平均株価は前週(2月25〜28日)に週間で2243円(9.6%)下げた。
下げ幅はリーマン・ショック直後の2008年10月6~10日(2661円)以来の大きさだった。
新興市場からも個人投資家の資金が流出。
不動産運営やエンターテインメント事業を手がけるKeyHolder(キーホルダー)社の株価は2月28日終値で62円と週間で22%下げた。
ここで、キーホルダー社に対して秋元康氏が出資している、ある契約が注目を浴びている。
【秋元康氏らは2018年にキーホルダー社の新株予約権を購入した】
キーホルダー社は2018年6月18日に、秋元康氏らに対して第三者割当での新株予約権の募集を発表した。
単純に言うと、秋元康氏らはキーホルダー社の株を一定の株価で買う権利を購入。
その後にキーホルダー社の株価が上がれば秋元康氏らが儲かる仕組みだ。
(会社リリース:第三者割当により発行される新株予約権の募集に関するお知らせ)
ただし、この出資方法はやや特殊だ。
キーホルダー社の株価が上昇すれば秋元康氏らは値上がり益を受け取れる。
5営業日連続で株価の終値が150円を上回れば新株予約権の30%、終値が260円に達すれば100%の権利を行使できる。
一方、株価が大幅に下がると、秋元康氏らは契約上の高い株価でキーホルダー社に出資しなければならない。
【秋元康氏らのキーホルダー社への新株予約権での権利行使条件】
2020年2月末でキーホルダー社の株価は62円まで下落。
このまま株価が横ばいで推移した場合、秋元康は60円前後の株を125円で買わなければいけなくなってしまう。
金額で計算した場合、約15億円の株を約30億円で買わなければいけないため、いわゆる「含み損」は15億円だ。
正念場の秋元康氏 得意のサプライズか地道に稼ぐか
【キーホルダー社のリリース(2018年6月18日)により、秋元康らの預金通帳の金額が明らかになっている(数字は単純計算)】
もちろん、秋元康氏らはただちにキーホルダー社の株を買わなければいけない訳ではない。
権利行使期間の最終日は2028年7月23日と、今から8年半後だ。
それまでにキーホルダー社の株価が260円まで上昇すれば、秋元康氏らは新株予約権の行使で数十億円の利益を獲得できる。
キーホルダー社は2019年からAKB48グループの中のSKE事業を購入。
現在はキーホルダー社の子会社のゼスト社がSKE48事業を運営している。
SKE48は2019年7月にインドネシアのジャカルタの「JKT48」と共同プロジェクトを行うことを発表した。
現時点ではキーホルダー社の傘下に入ったSKE48は、これまでと同様な事業、発展を模索している。
もっとも、キーホルダー社の株価が低迷を続けた場合、秋元康氏はこれまで培った人脈などをフルに行使してサプライズを敢行する可能性は残っている。
【秋元康氏らが引き受けた新株予約権の概要】
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